日本証券業協会は、証券取引所や証券業界などと連携し、市場で起こり得る不正や問題を未然に防ぐ横断的な組織の設立に着手する。関係機関のメンバーが機動的に集まり、話し合いを持つ委員会組織などが想定されている。欧米では行政の事後的処分に対し、「転ばぬ先の杖(つえ)」といえる未然防止機能が整備されており、日証協は金融関連団体や金融当局とも調整し、こうした仕組みの導入を急ぐ。
未然防止機能はATC(Ahead of the Curve=「問題を先取り」の意味)と呼ばれ、市場に起こり得る新たな問題の芽を早期に見つけ、取り除くのが狙い。市場の自由な動きを縛ってしまう事前規制ではないし、問題が起きてからの事後的な処分でもないのが特徴だ。
平成18年1月に粉飾決算で旧経営陣が逮捕されたライブドアは、株券が実際に流通するまでに一時的に株価が上がるのを狙った株式分割を繰り返したほか、時間外取引で特定企業の株式を大量取得した。この問題をきっかけに、株式分割と時間外取引には、取引所通達や法律の規制で一定の制限が設けられたが、市場の混乱を事前に避けることはできなかった。
最近も、株式併合を行う企業の中に、発行株式の大幅減少や新株発行を同時に行うなどの問題ケースが増加。東証が「既存株主の権利を軽視する」として注意文書を出し、斉藤惇(あつし)社長が会見で言及した例がある。
未然防止機能は、こうした現行の法律や規則には触れないものの、投資家保護の上で問題があると判断した場合に、日証協などの証券・金融関連団体や取引所、証券会社などが連携して自主規制ルールを整備したり、問題行為の自粛を呼びかけるなど市場の健全化に機動的に取り組む。
日証協は、日本証券経済研究所に委託している「日本版ATC研究会」の報告書が4月上旬をめどにまとまるのを受けて、組織づくりに向けた作業に着手する意向だ。
未然防止機能は、英国では金融機関や金融当局、学識経験者らによる委員会が設置されている。また、米国では自主規制機関のFINRA(金融取引業規制機構)が担っている。
産経ニュース
未然に防げればねぇ
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